感謝の意を表すために贈られる心付けは、
通常の日常生活ではめったに経験しない習慣なので、
馴染みがない方も多いと思います。
私も実際、それまで親族の結婚式には何度も参加していましたが、
自分が挙式するときになって初めて知りました。
一部のエチケット本には、
「結婚式で留袖の着付けを頼んだ場合、お礼に心付けを贈るべき」
と記載されているものもあります。
ですが、逆に不要とする本も存在するので、
渡さないことでサービスが下がるのでは、と気になってしまい、
実際に心付けを渡す方がいいのか判断に悩まれる方は少なくありません。
結論としては、
心付けを渡さなくてもサービスが低下することはありえません。
なので、わざわざ心付けを贈る必要もありません。
ただし、お礼の気持ちとして心付けを渡したい場合もあると思います。
心付けは気持ちですが、渡したいのであれば渡していいと思います。
渡すときの相場は、
着付けのスタッフに渡す場合で3,000円から10,000円です。
誰が心付けを渡すかはケースバイケースで異なりますが、
新郎新婦の親の着付けだけなら、新郎新婦が負担することが一般的です。
親族も含める着付けの場合は両家親が渡すことが多いです。
渡し方としては、
挙式前に親からスタッフへ、袋に心付けを包んで渡すのが一般的です。
ポチ袋への入れ方については後述しますが、封筒自体はポチ袋で充分です。
心付けを渡さない場合は、
代わりに日持ちする有名ブランドや特産品のお菓子を贈るケースもありです。
(まったく何も渡さないのもOKです)
今回は、心付けの必要性や渡し方、
相場について基本的なポイントを私や私の親族のときを一例に交えて解説します。
【留袖着付けの心付け】結婚式で留袖や着物の着付けに心付けは必要か
結婚式の留袖着付けで、お礼として心付けを渡す必要性があるかというと、
考え方が人それぞれのため一概に判断できません。
身近な人に尋ねても、渡すべきだと考える人もいれば、
渡さないほうが良いとする人も存在します。
こうした状況になると、
どう対応すべきか迷ってしまいますよね。
私が結婚式を挙げたときも心付けをどうするかは夫婦で悩みました。
では、そんな悩みの種の心付けとはそもそも何かというと
あくまで感謝の気持ちを表したお礼です。
【心付けの意味】チップとの違いに注意!
お心付けは基本的に、
結婚式などでお世話になる関係者への感謝を示すために贈るものです。
海外ではレストランやホテルでチップを渡す慣習がありますが、
それと同じものかな?と感じる方もいるかもしれません。
ですが、全くの別物です。
チップは施されたサービスに対して感謝の気持ちを表すのに対し、
お心付けはこれからのご協力をお願いする気持ちが込められています。
ですので、その意味合いが異なります。
結婚式で心付けを必ず渡すべきだという人もいますが、
心付けは感謝の表現ですので、必ず渡す必要はありません。
また、心付けを渡さないことでサービスが低下することはありませんし、
逆に、それが原因でサービスが悪くなるのはプロの仕事ではないと言えます。
実際に私は、プランナーに相談したところ、
そうハッキリ言われました。
【留袖着付けの心付け】相場
通常は心付けを渡す必要はありません。
ですが、「とてもお世話になったからどうしても渡したい!」など、
様々な理由から渡すことを考えることもあるでしょう。
そんなときに気になるのが、心付けの具体的な金額ですよね。
一般的な相場はあまり耳にしないかもしれません。
基本的には、着付けスタッフに渡す場合の心付けは3,000円から10,000円程度です。
金額には幅があるのは、着付け人数やかかわった方の人数などにもよるためです。
一般的には、3,000円や5,000円がキリの良い金額として、
この金額範囲内に決められる方が多いです。
【心付けは親が渡すのか】お礼の渡し方
留袖の着付けのお礼として心付けを渡す場合、
誰がどのタイミングで贈るか気になりますよね。
お心づけの費用は基本的には両家親で折半することが一般的ですが、
新婦側の親や親族だけが着物の着付けでお世話になる場合などは、
新婦側が負担することが一般的です。
また、親の留袖着付けのみの場合は新郎新婦が負担するか、
ご両親が自己負担することがあります。
ケースバイケースです。
判断が難しい場合なら、親からスタッフへ直接渡すのがスムーズな方法ですね。
心付けを渡すタイミング
心付けを渡すタイミングとしては、主に挙式前が一般的です。
挙式前には十分な時間があり、
事前にスタッフとの対面するシーンもあるかもしれません。
その機会に心付けを渡しておくと、
余裕を持ってお礼を述べることができるのでおすすめです。
挙式当日は慌ただしくて、渡すタイミングを逃したり、
忘れてしまう心配もあるので、
できることなら挙式前がいいと思います。
もちろん、挙式後や披露宴の後に渡すこともできますが、
そのときは会場内が非常にバタバタと慌ただしいことが多く、
きちんとしたお礼を言う時間がとりにくいのであまり適していません。
忙しそうにしている状況では渡しにくくなるため、
できるだけ挙式前に渡すように心がけましょう。
【心付けの準備】封筒袋など必要なもの
心付けを当日に用意しようとすると、必ず慌てることになります。
なので、前もって用意しておくことがおすすめです。
心付けを渡すときの事前準備のポイントを紹介します。
心付けを渡す際には必ず新札を用意してください。
新札を用意することで、相手に前もって準備をしていたことを伝えることができます。
心付けのお札を何も包まずに渡すのは非礼であり、見栄えも悪いです。
ポチ袋などの入れ物にきちんと入れて渡すように心がけましょう。
【メモ帳】
ポチ袋には通常、名前は書きません。
しかし、名前を書かないことでどれが誰への心付けか分かりにくくなります。
誤って渡すのを防ぐために、ポチ袋の上に付箋を貼るなど、区別しやすくしておくと良いでしょう。
このメモは自分用なので、袋の柄なので区別がつく場合はなくても大丈夫です。
【心付けを渡さないとき】ホテルでの結婚式など渡さないケースもあり
心付けを贈ることは必須ではなく、
渡さないケースも当然存在します。
ですので、渡さなくても問題はありません。
では具体的にどんなときに渡さないのかというと、
主に次の二つです。
【心付けを渡さない場合①】サービス料が見積もりに含まれている
結婚式の見積もりには、使用する場所や衣装などの料金以外に、
サービス料が明記されていることがあります。
サービス料はほぼ心付けと同じく感謝の意味を含んでいます。
見積もりにサービス料が含まれていれば、
心付けを渡す必要はありません。
特にホテルウェディングではサービス料が含まれていることが一般的です。
私はホテルで披露宴を行いましたが、
事前に親族の着物の着付けをお願いするお礼として心付けを渡そうと思いました。
ですが、プランナーに心付け代わりにサービス料があり、
そこに含まれているから不要だと説明され、渡さなくていいと言われました。
【心付けを渡さない場合②】事前に断られたとき
かつては心付けを渡すことが一般的でした。
ですが、近年では結婚式場が心付けを受け取ることによるトラブルを避けるため、
事前に断ることも増えています。
心付けを渡すことを拒否されたときは渡すことを避けましょう。
【一例】心付けを断られたけど渡したいときの対処法
最近では心付けを贈っても受け取ってもらえない場合も増えています。
しかし、お礼として心付けを渡したいという気持ちが変わらない場合、
お金ではなく物を贈ることも一つの方法です。
現金では受け取ってもらえない場合もありますが、
お菓子など形に残らないものであれば受け取りやすいことがあります。
新郎または新婦の地元の特産品や有名店のお菓子を贈ると、
喜ばれることが多いです。
私は後日、式場を訪れて代表として担当プランナーにお礼のお菓子を渡しました。
心付けは断られましたが、お菓子は喜んで受け取っていただきました。
代替品のお菓子を選ぶときは
日持ちするお菓子で個包装のものにするのがポイントです。
【留袖着付けの心付け】まとめ
親や親族の留袖着付けを頼んだ際、心付けは必ずしも必要ありません。
ですが、感謝の気持ちとして贈ることは必ずしもダメということがありません。
ただし、相手方が
「サービス料に含まれているのでお受け取りできません」
と断る場合もあります。
特に、着付けを頼む場所が結婚式場や披露宴会場と提携している場合は、
用意する前に担当プランナーに相談してみるのがいいと思います。
心付けが不要でも、代わりに別の贈り物ならOKの場合もあります。
心付けや代替の贈り物を渡す際は、
感謝の気持ちを添えて贈ることが大切です。
素晴らしい結婚式をお迎えいただけることを心より願っています。