雛人形は一人一つと言われており、
大切にして、家族で代々引き継いで使用されたりすることもありますよね。
ただ実際に、実家の雛人形を受け継いで使うことにしたり、
自分の雛人形を娘に譲ることにしたとき、
そのままお下がりとして引き継いで使ってもいいのか
悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論としては、ひな人形は引き継いで使っても問題ありません。
そして、お下がりで雛人形を譲り渡す際や受け取る際に、
お祓いを行う必要はあるか、というと
具体的な決まりはありませんので、
お住まいの地域や家庭による決まりやルールがあればそれに沿って、
なければお好みの対応になります。
今回は、
雛人形を代々引き継いで使用することの是非や、
受け継ぐ場合にお祓いなどが必要かお話します。
【節句人形の引き継ぎ】ひな人形のお下がりが可能かマナーの観点から解説
そもそも節句人形は引き継ぐことが良しとされていることか、
という点からお話しします。
節句の雛人形はもともと女の子に災いや穢れを移し、
それを川に流して厄を払う風習がありました。
しかし、時が経つにつれて他の慣習と混ざり、
現在の男女一対の人形を飾る形式に変わりました。
そして厄払いの意味からくる考え方として、
「雛人形は女の子一人につき一つ」という意見が広がっています。
これは、持ち主の厄を人形に身代わりで受けさせるものであり、
お雛様を複数人で共有することや他の方に譲渡することは、
「厄除け」としては誤った飾り方と見なされることがあります。
ただし、現代では「女の子が生まれたら初節句に買う」とされているものの、
昔は夫婦和合や子孫繁栄のために嫁入り道具として持つものでした。
また、昔の雛人形は簡素なものであり、
高価なものではありませんでした。
現代の雛人形は一人一つである必要がなく、
共有や譲渡がNGとされることもありません。
特に、アパートやマンションで暮らす家庭では
広さの制約から一つの雛人形ですら飾ることが難しい場合もあります。
お雛様は女の子の成長を願うものであり、
一代限りでなく代々引き継いで飾ることで、
お雛様も成長を見守り喜んでくれるでしょう。
ただし、地域や家庭のルールでどうするか決まりがある場合は
それに従うのが良いでしょう。
節句飾り 雛人形のお下がりで引き継ぐ時にお祓いが必要か
節句人形を娘に引き継ぐ場合、
そのまま使う前にお祓いが必要でしょうか?
具体的な決まりはありません。
地域や家庭によって異なるルールがあればそれに従うことが望ましいですが、
特に決まりがない場合はお好みで行っても問題ありません。
ただし、雛人形は自分の家系で受け継がれる分には問題ありませんが、
他家のものを引き継ぐ場合、その家の厄などを引き受ける可能性があるため、
慎重に考えることが大切です。
基本的に他家の雛人形の継承は避ける方が良いでしょう。
雛人形のお下がりで引き継ぐことの意味
雛人形は慎重に扱えば30年以上も使用できるものです。
未だ使用可能な状態であるにもかかわらず、
新しい雛人形を購入するのは、現代の状況を考えてもおすすめできません。
「大事にすれば長く使える」という教訓を子供たちに伝えるためにも、
子供に引き継いで使ってもらうことは良いことだと考えます。
また、アルバムを見ながら親子の初節句の写真を振り返るのも素敵な思い出になります。
ただし、どうしても新しいものを飾りたい場合は、
小さな雛飾り(お内裏様とお雛様だけのもの)を購入するのも一つの方法です。
「雛人形がいらなくなった」ということは「結婚した」とも解釈でき、
『幸せを引き継ぐ』として代々受け継いでいく考えや意味もあります。
思い入れのある雛人形を代々使うことや、
使いたいからお下がりを受けることは、
子供を大切に思う気持ちがあれば何の問題もありません。
ご両親が購入してくださり、自分を見守ってくれたお雛様と、
今度は一緒に娘の成長を見守ることは非常に素敵な考え方です。
実際には親子3代で使っているところもあり、
難しく考えずに雛人形に愛着があるならば引き継いで使うのも良い方法です。
雛人形のお下がりを受け継ぐときの注意点とマナー
大切な雛人形を受け継ぐ・引き継ぐ際は、
これらのポイントを心に留めて、感謝の気持ちを込めて大切にしていくと良いでしょう。
1. お下がりを受ける際の気持ちを大切に
お下がりを受け継ぐことは、先代からの大切な伝統を引き継ぎ、
その思いを受け継ぐことでもあります。
感謝の気持ちを忘れず、お下がりを大切にしましょう。
2. お祓いを検討する
お下がりを受け継ぐ際には、お祓いをすることを検討するのが一般的です。
これは、以前の持ち主のエネルギーや祝福を感謝し、新しい時代へと気持ちを新たにするための儀式です。
ただし、必ずする必要があるかという点では前述の通りです。
3. 丁寧な保管と手入れ
雛人形は繊細であり、長い間保存するためには丁寧な保管が必要です。
湿気や日光から守り、定期的に掃除をすることで、美しい状態を維持できます。
4. 飾り方の工夫
お下がりを飾る際は、元の飾り方に拘らず、
新しい家庭に合ったスペースや雰囲気に合わせて工夫することができます。
アレンジや自分らしいスタイルで飾ることで、新しい時代にふさわしい雛人形になります。
5. お子様への説明と伝承
お下がりを受け継ぐ場合、お子様にその意味や由来を説明し、
伝承していくことが大切です。
家族や伝統の価値を理解し、次代に継承していくことで、
雛人形がより一層特別な存在となります。
6. お下がりの由来やエピソードを尋ねる
お下がりを受け継ぐときには、
元の持ち主から由来やエピソードについて尋ねると良いでしょう。
これによって、より深い理解と尊重が生まれ、お下がりがより豊かな意味を持つことになります。
雛人形のお下がりでお祓いするときの手順
お祓いをする場合の一般的な手順は次の通りです。
あくまで一例ですので、必ずしもこの通りにする必要はありません。
心を込めてお祓いを受け、新しい時代へと繋げていくことが大切です。
1. お祓いの日程を決める
まず、お祓いを行う日程を決めましょう。
神社や寺院によっては予約が必要な場合もありますので、
余裕をもって計画することが大切です。
2. 神社や寺院を選ぶ
お祓いを行う場所として、近くの神社や寺院を選びます。
雛人形によっては、特定の神社や寺院に縁があることもありますので、
事前に調査しておくと良いでしょう。
3. お祓いの予約をする
選んだ神社や寺院でお祓いを受けるには、
事前に予約が必要な場合があります。
雛人形をお下がりする予定の日時に合わせて、予約を行いましょう。
4. 雛人形を準備する
お祓いの日が近づいたら、雛人形を丁寧に準備します。
箱に入れている場合は、そのままの状態で持参します。
もし細かな装飾がある場合は、外れや傷がないか確認しておきましょう。
5. お祓いの日に持参する
予約した日に、雛人形を持って神社や寺院に訪れます。
お祓いを担当してくれる神職や僧侶に、お下がりの雛人形をお渡ししましょう。
その際に、お祓いの目的や感謝の気持ちを伝えると良いですね。
6. お祓いを受ける
神職や僧侶が雛人形を手に取り、祝詞を唱えながらお祓いを行います。
この時、心を静め、感謝の気持ちを込めてお祓いを受けると良いでしょう。
7. お祓い後に感謝の気持ちを表す
お祓いが終わったら、神職や僧侶に感謝の気持ちを述べましょう。
お下がりを大切にする決意を伝えることで、お祓いがより意味深いものとなります。
お下がりひな人形の保管方法
引き継いだ雛人形の保管方法は
通常の節句飾りの保管方法となんら変わりありません。
基本的には次のような手順で行います。
1. 乾燥した場所に保管する
まず、雛人形を保管する場所は湿気が少なく、乾燥している場所を選びましょう。
湿気は雛人形の素材に影響を与える可能性があります。
クローゼットや押し入れが適しています。
2. 日光を避ける
雛人形は色あせや変色の原因となる日光を避けることが大切です。
直射日光の当たらない場所を選び、長期間保管する場合は、遮光カーテンや布で覆うと良いでしょう。
3. 適切な箱やケースに入れる
雛人形は繊細であり、傷や汚れを防ぐために適切な箱やケースに収めることが必要です。
元の箱がない場合は、適切なサイズのクロスや布で包み、丁寧に箱に収めましょう。
4. 定期的な掃除と換気
雛人形は定期的な掃除が必要です。
柔らかい筆や毛糸の掃除具を使い、埃を優しく払ってください。
また、季節ごとに箱を開けて換気することで、
新鮮な空気が循環し、雛人形の保存状態を良好に保つことができます。
5. 温度管理
極端な温度の変化は雛人形に悪影響を及ぼす可能性があります。
保管場所が冷暖房の影響を受けにくい場所を選び、
急激な温度変化を避けるように心掛けましょう。
これらのポイントを守りながら雛人形を保管すれば、
長い年月を経ても美しい状態を保つことができます。
お下がりの雛人形を大切にし、次世代に継承していくために、適切な保管が重要です。
雛人形の引継ぎのまとめ
雛人形を代々引き継いで使うことに対する意見は様々ですが、
否定的な意見も存在します。
これは、もともと厄払いとして川に流していた風習に由来しています。
ただし、現在の雛人形は女の子の成長を見守るお守りのような役割を果たしています。
女の子の成長を代々見守り続けるものとして、
雛人形を受け継ぐことは悪くない考え方です。
自分を見守ってくれたお雛様が我が子のことも見守ってくれると考えると、
非常に心強いものです。
明確な決まりは存在しないため、
納得できるように選択することが一番良いでしょう。